日本語の謎「こんにちは」と「こんにちわ」どっちが正しいのか
あなたは普段、挨拶を書くときに「こんにちは」と「こんにちわ」どちらを使っていますか?
SNSやLINEのコメントなどで「こんにちわ」と書かれているのを見て、「あれ?どっちが正しいの?」と疑問に思ったことがある人も多いでしょう。
実はこの2つ、意味は同じでも文法的には明確な違いがあり「こんにちわ」と書く人を見て「頭悪そう」と感じる人もいれば、「別にいいじゃん」と思う人もいるなど、意見が分かれる日本ならではのテーマです。
結論から言うと正しくは「こんにちは」なのですが、本記事では「こんにちは」と「こんにちわ」の違いを日本語の仕組みから丁寧に解説したいと思います。
なぜ「こんにちは」と「こんにちわ」で迷うのか
この言葉をめぐる混乱の原因は、見た目よりも「発音」にあります。
話し言葉では「こんにちわ」と聞こえるため、音の響きに合わせて書いてしまう人が多いのです。特にSNSやチャットでは、話し言葉の感覚で文字を書く傾向が強く、「こんにちわ」という表記が広がりました。
また、「わ」と書くことで柔らかい印象になると感じる人も多く、「わざとそう書く」というケースもあります。
「こんにちは」が正しい理由
文法的に見ると、正しいのは「こんにちは」です。これは「今日は(ご機嫌いかがですか)」という文の省略形だからです。(きょうはではなく、こんにちは)
助詞の「は」は文中では「わ」と発音されますが、書くときは「は」と表記します。したがって、「こんにちは」と書くのが正解です。
実際、文部科学省の表記基準や辞書(広辞苑・新明解国語辞典など)でも「こんにちは」が正式な形とされています。
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「こんにちわ」と書く人はなぜ多いのか
「こんにちわ」と書く人には、いくつかの理由があります。
- 発音どおりに書いているだけで、深い意味はない
- 「わ」と書いた方がやわらかく、親しみやすく感じる
- SNSやLINEで他の人が使っているのを見て自然と真似している
つまり、誤用というよりは「口語的な表現の延長」として使われているケースが多いのです。
「こんにちわ」は間違いではない?
結論から言えば、「こんにちわ」は正式な表記ではないものの、完全な誤りとも言い切れません。
言葉は時代とともに変化するものであり、現代のSNS文化の中では「こんにちわ」も一種の“親しみ表現”として受け入れられつつあります。特にフォーマルな文書やビジネスメールで使うのは避けた方がよいですが、日常会話の中で使われても大きな問題ではありません。
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「こんにちわ」は頭悪い?
ネット上では「『こんにちわ』と書く人は頭悪い」などの意見を目にすることもありますが、これは言い過ぎです。
確かに公的な文章では誤用とされますが、「こんにちわ」と書いたからといって知性を疑うのはナンセンスです。言葉づかいは教育や世代、使用シーンによって変わるもの。単に「話し言葉をそのまま書いた」だけの人も多いのです。
むしろ、こうした細かい表記を指摘して他人を攻撃する“日本語警察”の方が、コミュニケーションの本質を見失っているとも言えるでしょう。
結論:「こんにちは」を使うのが無難。でも相手の意図も大切に
正式には「こんにちは」が正しい表記です。ビジネス文書やメール、学校の作文などでは迷わずこちらを使いましょう。
ただし、SNSや友人とのやりとりで「こんにちわ」と書く人を見かけても、すぐに「間違ってる!」と指摘する必要はありません。大切なのは正しさよりも伝わることです。
日本語は生きている言葉。時代や文化の中で変化し続けるものです。「こんにちは」と「こんにちわ」、その違いを知った上で、相手に合わせて使い分けられると素敵ですね。

